個別株投資における投資戦略について詳しく解説

投資で利益を得るという目的を達成するためには、長期的視野と複合思考で時間という資金を総合的に運用しなければなりません。

新NISAやつみたてNISAで、王道の【長期・分散・積立】で初級コースの資産運用のベースを身につけた人は、個別株投資も検討してみましょう。

しかし個別株投資はリスクもあるため、「なんだか怖い」と感じている方も多いでしょう。

この記事は資産運用のベースを掴んだ人に向けて、個別株投資の魅力に着目した投資戦略について解説していきます。

4つの投資戦略とは

投資戦略といっても、配当の高い株式だけを狙うわけではありません。

以下4つの戦略をもとに戦略を練りましょう。

  • 高配当株投資
  • 成長株投資
  • 優待株投資
  • 株式分割

なんとなくイメージがつきそうな言葉がならんでいます。

それぞれ順番に解説していくので、「なんとなくわかる」から「わかる」に変えていきましょう。

高配当株投資

高配当株投資で重要となるのは、配当利回りです。

配当利回りとは、投資額に対して年何%の配当金がもらえるのかを見る指標です。

高配当株投資は、配当利回りの高い銘柄を狙っていく戦略となります。

ただし単に配当利回りが高ければいいのかというと、そうではありません。

たとえば会社設立◯周年の記念配当などで、たまたまその年だけ配当金が多かったり、利益が出ていないのに無理をして配当金を出したりする企業などもあるからです。

なお株価暴落の結果、配当利回りが上がるケースもあります。

高配当株を探す際は企業規模や利益の状況を確認しましょう。

※配当金とは、株式市場に上場している企業の株式を買って株主になり、企業があげた利益から分配金

成長株投資

個別株投資には、値上がり益(キャピタルゲイン)という魅力があります。

株を安いときに買って、高いときに売って得た差額が値上がり益です。

配当や投信の値上がり益に比べ、金銭的なメリットがもっとも大きくなる可能性が高いです。

たとえば株価1万5,000円で100株購入し、半年後に2万円になったとすると200万円になります。

差額の50万円が値上がり益です。

なおNISA口座内で買った株式の場合は、値上がり益に1円も税金がかかりません。

利益の金額にかかわらず非課税となります。

本来は運用益に対して約20%の税金がかかるため、10万円の税負担があります。

しかし10万円を取られずに済むNISAは、やはり非常に魅力的です。

ユニクロで有名なファーストリテイリングは、上場直前から株を保有していたとすると、いまでは200倍以上に上がっています。

将来大きく株価が上がると思われる企業を見つけて、いち早く投資をしていくのが成長株投資です。

優待株投資

普段から利用しているサービスや企業の商品があるなら、株主優待を目的とした投資もおすすめです。

もともと株主優待というのは、企業が株主に対する日頃の感謝のしるしとして、自社製品や割引券などをプレゼントする制度です。

国内全上場企業の約4割に当たる約4,500社が実施しています。

※2022年9月時点

なお株主優待を受け取るには、配当金同様、決算期末などの権利確定日に株主になっている必要があります。

また配当金額が変更になるケースがあるように、株主優待制度もそのときどきで変更になったり、廃止になったりする場合があります。

投資する企業のIRページを見て確認すると正確ですが、まとめて調べるなら東京証券取引所のTDnetも役立ちます。

※IRページ=投資家向け広報ページ

株式分割

4つ目の投資戦略は、【株式分割】狙いです。

理由は、株式分割を定期的に実施する企業の株価は上がりやすいと言われるからです。

株式分割とは1株をいくつかに分割し、発行している株式数を増やすことです。

すでに株式を持っている株主にとっては、持ち株数が自動的に増えることになります。

とはいえ保有株式の価値が変わらないように、株価は2分の1に修正されます。

株数が増えても価値が下がるなら意味がないと感じますが、別のメリットがあるのです。

次項で詳しく解説していきます。

新たに買う人が増えて株価上昇の可能性が高まる

株式分割のもっとも大きなメリットは、株価が修正されて下がることです。

1株を2株に分割する場合は2分の1、5株に分割する場合は5分の1まで株価が修正されて下がります。

そのためこれから買おうとする新たな投資家にとっては買いやすくなり、株価にもプラスに働くのです。

企業においても安定的に保有してくれる株主数が増えるというメリットがあります。

たとえばトヨタ自動車は2021年9月に1株を5株に分割しました。

分割前の株価は1万円を超えていたため、最低単元の100株を買うには、100万円以上の資金が必要です。

しかし株式分割によって株価が5分の1に修正されたため、約20万円あれば投資できるようになり、ハードルがグッと下がりました。

株式分割は遅くとも実施の2~3か月前に公表されるため、今後株式分割が決まっている銘柄を、定期的に確認してみるのもいいでしょう。

個別株投資はトッピング

ここまで個別株投資の投資戦略について解説してきました。

基本は新NISAで【長期・分散・積立】の資産運用をしていくのがベースにあります。

そのため、つみたて投資枠にくわえて、成長投資枠も積立投資100%で問題ないでしょう。

しかし個別株投資の魅力も捨てがたい、大きく成長する企業の恩恵を受けたいと思う人は、メイン料理のトッピングのような位置づけで、資産運用の一部にくわえてみてください。

勝ち組企業の見つけ方

株価が上がった銘柄を後で探すのは簡単です。

しかし上がる前にどのように見つけるのかが重要となります。

以下5つを軸に企業選びをしてみてください。

  • 売上高や利益が毎年伸びている
  • 無借金経営を続けている
  • 国内シェア・海外シェアが高い
  • 業界が今後も伸びる可能性がある
  • 株価が中長期的に上昇トレンドを描いている

以上の項目を、会社四季報や日経会社情報DIGITALなどを確認して、株価上昇が期待できるのかどうか総合的に検討します。

とはいえ難しく考えても将来どうなるかは誰にもわかりません。

シンプルに【これから自分が就職するとしたら、どの会社で働きたいか】という視点で選んでみるのも方法のひとつです。

またベンチャー企業に出資するエンジェル投資家の気分になって、「自分がこれから投資するお金を、有効活用して増やしてくれそうな経営者はだれか」といった視点で選んでみても面白いです。

まとめ

個別株投資は、たとえるなら自分の可愛い子供を就職させるようなものです。

どの企業なら子どもが幸せになれるのか探すわけです。

成長する企業を選べば、子どもは幸せになり、大きく成長して返ってくるはずです。

この記事で紹介した、個別株投資の投資戦略をまとめると以下のとおり。

  1. 高配当な株や成長しそうな株を見つけて企業の恩恵を受ける
  2. 株主優待は自分の生活圏やよく使うサービスからお得度を判断
  3. 株式分割をする企業はねらい目
  4. 企業の動きや値がさ株から判断

積立投資のベースを崩さず、個別株投資を体験していきましょう。