NISAをはじめる際に何から買ったらいい?

「NISA口座を開設したけど、何から買ったらいいのかわからない」

「NISAって結局何から買ったらいいの?」

NISA口座を開設したものの、どの商品を買ったらいいのかイマイチわからないですよね。

そこでこの記事では、投資初心者の人に向けて、NISA開設後、どの商品を買うのがいいのか紹介します。

投資初心者はつみたてNISA専用ファンド

投資初心者の人は、つみたてNISA専用ファンドから選びましょう。

つみたてNISAは、【長期・分散・つみたて】という資産形成の王道の実践を支援するためのできた非課税制度でした。

そのためつみたてNISAで使える商品は、金融庁が定めた下記6つの要件をクリアした長期運用向きの投資信託と一部のETF(上場投資信託)に限定されています。

  • 販売手数料はゼロ(ノーロード)
  • 信託報酬は水準以下
    国内株インデックスの場合0.5%以下
  • 毎月分配でない
  • 顧客への通知
    過去1年間に負担した信託報酬の概算金額
  • 信託契約期間が無期限または20年以上
  • デリバティブ取引による運用を行っていないこと
    (ヘッジ目的の場合等を除く)

簡単に言うと、金融庁が「この商品なら投資初心者に使いやすいだろう」と認定しているのです。

つみたてNISA専用ファンドは、金融庁お墨付きの商品なので、投資初心者におすすめなのです。

つみたてNISAは約4%の厳選ファンド

日本国内で一般的に販売されている公募投資信託は、2023年末時点で5,949本もあります(投資信託協会調べ)。

つみたてNISA専用ファンドは、そのうち225本で、割合にすると約3.8%です。

つまりそれだけ厳選されたファンドということなので、安心して利用できるかと思います。

またつみたてNISA専用ファンドは、5年間で2倍以上に増えています。

年月 ファンドの本数
2018年1月 103本
2023年4月末 225本

今後もつみたて専用ファンドは、増えていくかもしれません。

つみたてNISAは隠れコストも低めて比較する

どのつみたてNISAの商品を購入するか比較する際には、隠れコストと呼ばれる手数料負担を含めて比較しましょう。

投資信託を持っている間に差し引かれる手数料は、投資信託がメインなのですが、その他の費用として、以下のようなものが手数料として取られることがあります。

  • 売買委託手数料
  • 監査費用
  • 海外での保管費用

上記のような費用は合計でも、年0.1%に満たない金額で済むのが一般的だったので、これまであまり重視されてきませんでした。

ただし近年、メインの手数料である投資信託報酬が、年0.1%を切るものが登場してきたので、その他費用を微々たるものとして軽視できなくなってきたのです。

その他費用を含めたコストの負担は、ファンドの決算の際に作成される運用通知書で確認できます。

運用通知書は、運用会社のサイトで誰でも簡単に見られます。

そのためファンドを比較する際には、信託報酬だけでなく、その他費用も含めた総経費率を確認するといいでしょう。

続いてつみたてNISA専用ファンドの商品のカテゴリーについて紹介します。

つみたてNISA専用ファンドのカテゴリー分類

つみたてNISA専用ファンドにはどのような商品があるのか、全体像をつかむためにカテゴリー分類を見てみましょう。

種類 本数
インデックス型 191本
アクティブ型 27本

※2023年4月時点

2023年4月で225本のうち、191本がインデックス型。

インデックス型は、日経平均株価やTOPIXなどの指標に連動する運用成果を目指すタイプです。

インデックス型は機械的に運用していくので、コスト負担はアクティブ型と比較して安くなっているのが特徴です。

アクティブ型は、株式指数などの動きを上回る投資成果を目指す方法で、インデックス型と比較して、高いリターンが期待できます。

ただし高いリターンが期待できますが、その分リスクも損するリスクも高いです。

またアクティブ型はインデックス型よりも手数料が高めなので、投資初心者の人でつみたてNISAを行うのなら、まずはインデックス型の商品からはじめるといいでしょう。

ただインデックス型の商品から始めたほうがいいといっても、191本から決められませんよね。

そこで次の見出しでは、証券会社ごとにおすすめの商品を紹介します。

証券会社別におすすめの商品を紹介

代表的な証券会社ごとに、おすすめの商品を5つ紹介します。

ただし紹介する商品を買えば必ず儲かるというわけではないので、理解しておきましょう。

なお紹介する基準は、投資する対象・手数料の安さ・投資対象のバランスを総合的に配慮しています。

※紹介する商品は、【大口克人・菱田雅生(2023)迷わない新NISA投資術】の内容を参照しています。

紹介する証券会社は以下のとおり。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • auカブコム証券
  • 松井証券

それでは順番に紹介します。

SBI証券ならこの5本

SBI証券でおすすめの商品と特徴は以下のとおりです。

おすすめの商品 特徴
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 米国のS&P社が厳選した500社の株式指数に連動するファンド。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 小型株も含めた米国株式をすべて買うイメージ。
Tracers グローバル3分法(おとなのバランス) 債券7割弱、株式2割、不動産1割の割合で投資。
債券の割合が多めなので、ローリスクローリターン。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド 世界中の株式を丸ごと買うイメージ。
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 国内、海外の債券、株式、不動産に幅広く分散投資するタイプ

値動きが小さくリスクが抑えたいのなら、債券の割合が多いグローバル3分法や、幅広く分散投資をしている、たわらノーロードの商品がいいでしょう。

楽天証券ならこの5本

楽天証券でおすすめの商品と特徴は以下のとおりです。

おすすめの商品 特徴
eMAXIS Slim 米国株式 米国中心の投資。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 先進国中心の投資。
Tracers グローバル3分法
(おとなバランス)
債券の割合が多く、ローリスクローリターン
eMAXIS Slim 全世界株式
(オールカントリー)
投資先を全世界に分散投資。
たわらノーロード バランス
(8資産均等型)
様々な資産に幅広く分散投資。

手数料の安さを最優先で選ぶと、投資対象はSBI証券の場合と似たような結果になりました。

マネックス証券ならこの5本

マネックス証券でおすすめの商品と特徴は以下のとおりです。

おすすめの商品 特徴
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 米国のS&P社が厳選した500社の株式指数に連動するファンド。
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
米国中心の投資。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド 世界中の株式を丸ごと買うイメージ。
eMAXIS Slim バランス
(8資産均等型)
様々な資産に幅広く分散投資。
ニッセイ・インデックスバランスファンド
(4資産均等型)
様々な資産に幅広く分散投資。

SBI証券や楽天証券で買えるファンドの多くがマネックス証券でも買えるので、ラインナップを大きく変わりません。

auカブコム証券ならこの5本

auカブコム証券でおすすめの商品と特徴は以下のとおりです。

おすすめの商品 特徴
eMAXIS Slim 全世界株式
(オールカントリー)
投資先を全世界に分散投資。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド 世界中の株式を丸ごと買うイメージ。
たわらノーロード バランス
(8資産均等型)
様々な資産に幅広く分散投資。
eMAXIS Slim バランス
(8資産均等型)
様々な資産に幅広く分散投資。
Tracers グローバル3分法
(おとなバランス)
債券の割合が多く、ローリスクローリターン

auカブコム証券も、先ほど紹介した3社の証券会社と同じようなラインナップとなっています。

ご覧のようにネット証券会社では、手数料の安い商品はどこでも同じように取り扱っていることがわかります。

松井証券ならこの5本

松井証券でおすすめの商品と特徴は以下のとおりです。

おすすめの商品 特徴
eMAXIS Slim 全世界株式
(オールカントリー)
投資先を全世界に分散投資。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド 世界中の株式を丸ごと買うイメージ。
eMAXIS Slim 国内株式
(TOPIX)
TOPIX型では最も手数料が安い。
たわらノーロード バランス
(8資産均等型)
様々な資産に幅広く分散投資。
PayPay投信 日経225インデックス 日経平均連動型では最も手数料が安い

PayPay投信は、楽天証券とマネックス証券では取り扱いがありません。

国内株式に絞って投資したのなら、【eMAXIS Slim 国内株式】か【PayPay投信 日経225インデックス】の2つは選択肢として入れておきましょう。

最後に日経平均株価とTOIPXの特徴を紹介します。

日経平均株価とTOPIXの特徴

日経平均株価とTOPIXの特徴は以下のとおりです。

日経平均株価
(日経225)
TOPIX
(東証株価指数)
銘柄数 225銘柄 約2,200銘柄
タイプ 修正平均株価 時価総額加重型指数
算出方法 225銘柄の株価を合計して除数で割って算出 1968年1月4日の時価総額を100として指数化
表示単位 ポイント
特徴 株価水準の高い株の影響を受けやすい 時価総額の大きな銘柄の影響を受けやすい

日経経済新聞社が選んだ日本の主要企業225社をまとめて買うのが日経平均で、以前kンお東証1部上場企業の株式全部を買うのがTOPIXです。

ただし2022年4月に東京証券取引所は市場再編を行い、東証1部、2部という区分はなくなりました。

そのためTOPIXの算出法も今後見なおされる方針です。

まとめ

投資初心者でNISAをはじめる人は、つみたてNISA専用のファンドからはじめましょう。

長期的にコツコツつみたて投資を行うことで、低リスクで資産運用ができます。

つみたてNISA専用ファンドの商品を選ぶ際には、値動きが小さくリスクが低いインデックス型の商品を選ぶのがおすすめです。

またつみたてNISAの商品を選ぶ際には手数料負担に注目しましょう。