株や投信はいつ売るのが正しい?タイミング・目安を5つ紹介
株や投資信託を購入した後、売り時がわからなくて困っている方も少なくないでしょう。
ここでは株や投資信託を売却するタイミングの目安を紹介します。
いつ売却するか迷った際には、次のタイミングや目安をもとに売却を考えましょう。
- 株やETF(上場投資信託)を売るタイミング
- 投信の積立でも売って利確するのは大事
- 急にお金が必要になったとき
- 投信は金額指定で売るのが定石
- 余裕がないときは積立の一時中断や減額
章をわけて、それぞれ順番に解説していきます。
株やETF(上場投資信託)を売るタイミング
基本的に買った株が大きく値上がりしていて、「そろそろこの辺りがピークだ」と感じたなら、一度売って利確しておくのがいいでしょう。
保有している銘柄が好きなら、翌年に空いた枠で買い直すのもアリです。
また売った後で株が値上がりして、早く売りすぎたと後悔するのは、投資家なら誰にでもあることです。
利益は出ているし、マーケットも毎日動いています。
人生100年時代なので、早く売りすぎたという失敗があっても、取り戻すチャンスはこの先何十年もあると思うようにしましょう。
つぎに投信を積立で買っていた場合について解説していきます。
投信の積立でも売って利確するのは大事
投信つみたての場合は株と違って、数年で何倍にも値上がりするのはまれです。
穏やかな値上がりで安定的に資産を増やす商品であるため、ちょっと上がったからといって細かく売るのではなく、なるべく長く運用を続けたいものです。
ただしかなり利益が出ている場合や、お金が必要になった場合は、迷わず売ってしまいましょう。
含み益はあくまで含み益に過ぎず、のちに相場が急落したら消滅してしまいます。
含み益があるときに利隠して実現益に変えておくのは非常に重要です。
相場格言の「利食い千人力」というのは、上記のことを指します。
また現役時代に積立を続けていて、そろそろ退職が近いとします。
上記の場合、退職する日に合わせて投信を解約する必要はまったくありません。
退職前の数年間に相場状況を見ながら、少しずつ打っていくのがいいでしょう。
そうすればリタイア時に、退職金にくわえてある程度の現金資産が確保でき、安心できます。
※利食い千人力=利益確定には千人分の力があるという意味
急にお金が必要になったとき
株や投信を持っていて、急にお金が必要になったときは、部分的に売るのがおすすめです。
株や投信は、買ったときと同じ量で売らなければならないという決まりはありません。
つまりA社の株を300株買ったので、売るときも300株というのは間違いです。
単元株という単位で売れ、何株をひとまとめとして扱うかという決まりで、いまは100株単位で売れます。
そのため単元株の100株だけ売って、残りの200株は持ち続けるというのが可能になります。
投信は金額指定で売るのが定石
投信は基本的にすべての会社で金額指定で売買できます。
100円以上1円単位といった、細かい金額で部分的に取り崩して売るのも簡単です。
また最近では、定期売却サービスといって、毎月一定の日に自分の決めた額を自動で売却して現金を受け取れる仕組みも出てきています。
このようなサービスを使い、年金の出ない月に低額で取り崩して生活費に充てるなどすれば、毎月分配型の投信を使う必要がなくなります。
課税口座とNISA口座で同じ商品を持っている場合
課税口座とNISA口座で同じ商品を持っている場合を考えてみましょう。
どちらを先に売るかというと、課税口座のほうです。
たとえば配当の受け取りでも、課税口座の方は配当が出るたびに課税されて2割減になります。
同じ商品なら、税制面で有利なNISA口座のほうを最後まで残しておくのがいいでしょう。
余裕がないときは積立の一時中断や減額
余裕がなくて積立ができないときについて解説していきます。
投信の積立というのは自由度が高く、簡単な手続きで一時中断が可能です。
ネット証券の場合は、口座にログインしてから今の積立設定を選び、解除する程度です。
したがって再開するのも簡単で、中断していても今まで積み立てた投信の資産は解約(現金化)されることはありません。
つみたてNISAも同じで、積立期間中の一時中断や、毎月の積立額の変更が可能です。
またつみたてNISAの口座内で複数の投信を積み立てている場合は、一部の投信だけを中断するなど自由度が高いです。
投資信託を売却するうえで知っておきたい注意点
ここからは投資信託を売却するうえで、知っておきたい注意点を3つ紹介していきます。
- 売却する投資信託の基準価額は約定日で決定される
- 売却後入金までに数日かかる
- 投資信託の利益には税金がかかる
売却する投資信託の基準価額は約定日で決定される
個別の株式は、リアルタイムに値段を見ながら売却できます。
しかし投資信託は複数の商品に投資しているため、値段を見ながらの売却はできず、売却価格は後から決定されます。
投資信託の価格は【基準価額】と呼ばれ、運用会社が1日1回決定しています。
また売買の基準価額が決まる日を【約定日】と言い、申込日から約定日までの日数は、投資信託の種類によって異なります。
たとえば国内株式を対象にした投資信託の多くは、申込日の当日になり、基準価額は翌日わかります。
いっぽうで海外の商品を対象にした投資信託の場合、申込日から約定日までに翌営業日以上の日数がかかる場合がほとんどです。
つまり投資信託の売却は、最新の基準価額で行われるのではなく、約定日の基準価額のため申込日との時間差がある点に注意が必要です。
売却後入金までに数日かかる
売却の申込後、実際にお金が入る日のことを【受渡日】と呼びます。
受渡日は通常、約定日の2〜5営業日後になることが多く、売却の申し込みをした日から1週間前後かかるのが一般的です。
お金が必要になる場合は、必要な日に間に合うように、受渡日を考慮して手続きをしてください。
約定日と受渡日については、投資信託の目論見書などに記載されているため、事前に確認しておきましょう。
投資信託の利益には税金がかかる
投資信託だけではありませんが、売却し利益が出た場合は、利益に対して20.315%の税金がかかります。
特定口座では、納税の方法に【源泉徴収あり】と【源泉徴収なし】の2種類があります。
源泉徴収ありの特定口座で運用していると、税金が差し引かれた金額で口座に入金されます。
源泉徴収なしを選択した場合、受渡時に税金は差し引かれませんが、後の確定申告にて納税が必要です。
税金は利益の約2割となるため、目標設定をする際は税金を考慮しておきましょう。
まとめ
株・投資信託をはじめた投資初心者にとって売り時は迷うものです。
しかし投資目的の時期が到来したときや目標金額に達したとき、より魅力的な投資先が見つかったときなど、あらかじめ決めておくとマイルールに則った投資ができます。
値下がりしても慌てて売却しないことや、一部売却なども検討することなども重要ですが、自分の投資スタイルを決めておくのも大切です。